老人ホームには、色々な施設があり、時代や法律の改正などによっても、新しい施設ができていきます。
介護療養型老人保健施設(新型老健)もその1つですが、どのような施設なのかを説明します。
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介護療養型老人保健施設とは?
新型老健とも呼ばれているこの施設は、2008年の5月に厚生労働省によって新しくできた施設です。
介護保険施設には、
の3つがありますが、この介護療養型老人保健施設は老健と療養病床の間の性格を持った施設といえます。
介護療養型医療施設に代わる施設として
介護療養型医療施設と名前が似ていますが、こちらは病気から回復中の病状が安定していて療養が必要な寝たきりなどの患者を受け入れ、介護サービスとともに医学的なケアを提供している医療機関です。
ところが治療の必要がそれほどないのに入院している人が多いこと、そしてそれが医療費の拡大に繋がっていることなどから、介護療養型医療施設は廃止の方向に向かってます。
(2012年3月に一旦廃止と決定したのですが、介護療養型医療施設での医療ケアを必要としている人が多い、代わりの施設が足りない、などの理由から廃止を2018年3月まで延期中)
そしてその受け皿として考えられ設立されたのが、介護療養型老人保健施設(新型老健)なのです。
介護老人保健施設との違いは?
新型の老健といわれるぐらいなので、老健(従来型といわれる事もあります)との違いをみていきます。
老健とは?
まず介護老人保健施設(老健)がどういう施設かを説明すると、介護サービスを受けながら、自宅に戻るためにリハビリ(機能訓練)などが提供され、在宅への復帰を1番の目的とした施設といえます。
そのため、入居期間も原則3~6ヵ月と、長期の入居はできません。
新型老健との違いは?
従来の老健と新型の老健で最も違う点は、充実した医療サービスを受けられるという点です。
もともと医療ケアが充実した介護療養型医療施設の代わりという位置付けなので当然なのですが、
- 痰の吸引
- 胃ろう
- 経管栄養
などの医療措置が行われ、療養が可能となります。
つまり従来型の老健が自宅へ復帰するためのケアを提供されるのに比べ、新型老健では医療措置とともに療養するためのケアが提供される、ということです。
またターミナルケア(終末医療、看護)、看取りにも対応しています。
費用は医療ケアが充実している事もあり、従来型よりもやや高くなっています。
介護療養型老人保健施設(新型老健)の入居条件は?
年齢は65歳以上で、要介護度が1以上の人を受け入れていますが、医療措置が必要な人が対象となります。
他に長期の入院を必要としない、伝染病に感染していないなど、施設によって条件が設定されています。
介護療養型老人保健施設(新型老健)の問題点
配置される医師の数が少ない
介護療養型医療施設と比べた場合、利用者100人あたりの医師の配置数が、3→1人と減っています。このため施設に入る介護報酬が減り、経営側に負担が大きくなるといわれます。 そのため、
- 施設が増えにくい
- そのしわ寄せがサービスの低下に繋がる
などの問題点があげられています。
2015年に厚生労働省によって、療養機能を強化した療養機能強化型介護療養型医療施設が新しく設けられました。
(名前を付け足していくので、どんどんややこしくなりますが)
結局のところ、従来の介護療養型医療施設の廃止は一応決まっているのですが、療養機能強化型が新しくできた事で、実質継続していく、との意見もあり、まだまだ流動的なようです。