老人ホームの中身を知る上で、とても役に立つ資料に、重要事項説明書というものがあります。
この資料に、どのような内容が書かれているのかを説明します。
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重要事項説明書とは?
重要事項説明書とは、老人ホームに限らず売買契約や賃貸契約など、何らかの契約を交わすときに、消費者が契約の内容を把握するための説明書で、契約内容によって説明書の内容も変わってきます。
老人ホームの重要事項説明書では、ホームの中身についてとても詳しく書かれているので、それぞれのホームを比較するのにとても役に立ちます。
内容としては、主に次のようなものになります。
事業主体の概要
- 事業を運営している会社の名前
- 住所
- 連絡先
- 主な出資者
- 取引金融機関
などの記載があります。その施設ではなく、もとになっている企業の基本的な情報を知ることができ、特に出資者などを見れば系列企業が分かります。
また収支の決算額などもこの項目で分かるので、そのホームが安全かどうかの判断材料となります。
施設概要
そのホームの詳しい内容で、
- 施設の名称
- 所在地
- 連絡先
- 開設年月日
- 交通手段
- 建物、居室、設備、共用施設などの概要
といった、実際に利用する事になるホームの細かな情報を知ることができます。
職員体制
- 職員の人数・勤務の形態(常勤、非常勤など)・経験年数・取得している資格
- 職員の職種ごとの人数と勤務形態
- 夜間の人員配置の人数と勤務形態
など、入居者に対してどの程度の人数が配置されていて、どのような職種(看護師や機能訓練を行う理学療法士など)の職員が多い(少ない)かを知ることができます。
サービス内容
入居の条件と解約の内容
入居に際しての年齢、要介護度、健康状態や、契約を解除して退去してもらうときの理由、内容など。
医療
協力医療機関の一覧や協力内容、医療を受けるときの対応。
入居状況
入居している人数や、それぞれの年齢、要介護度など。
居室
居室の種類や数、入居後の居室の住み替えの有無など。 他に、ホームで提供されるサービスの内容などが記載されています。
利用料金
- 入居一時金の有無
- 月額利用料金
- それ以外実費が必要な費用
などが記載されていて、他にも入居一時金が必要な場合の保全措置、費用の支払い方法などが記載されています。
重要事項説明書で気を付ける点
上記の内容から、入居人数に関しては、ある程度の入居率がない場合、少し注意が必要で、施設にどのような理由があるのかを確認してみましょう。
職員の数(入居者との比率)が低い場合も注意が必要です。入居者への介護の質が低いといえるかもしれませんし、そもそも人材を集める力が無いともとれます。
重要事項説明書を見るには?
実はこの重要事項説明書は、都道府県によってホームページなどで公表されています。また老人ホームによっては自分のホームページに掲載している場合も多くあります。
ただしインターネットで見られるものが、最新の情報を掲載しているのかは分かりません。資料請求をする場合などに、備考欄などに記入して、一緒に送ってもらうようにしましょう。
有料老人ホームでは、重要事項説明書を書面で交付し、さらに入居の契約をする前に、口頭で充分に説明することが義務付けられています。ただ、積極的に情報を開示しない施設があるのも事実です。
とても大切な情報がたくさん載っている書類なので、受け身にならず、できるだけ自分から情報を集めるようにしましょう。