老人ホームには色んな種類があり、さらに名前がややこしいので違いが分かりにくいもの。
ここでは特養(特別養護老人ホーム)と老健(介護老人保健施設)の違いについて、施設の目的や費用、受けられるサービスを比較してみていきます。
(ちなみに特養は、介護老人福祉施設ともいいます。(保健と福祉の違い)ややこしい…。)
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特養と老健の違い!
ちなみに上にも書いてますが、特養は特別養護老人ホーム、老健は介護老人保健施設の略で、
「特別養護老人ホームとは?特徴や入所の方法など!」
「介護老人保健施設(老健)とは?特徴や入所方法など!」
にも詳しく書いてます。
特養と老健は、どちらも介護保険を利用して入居できる、介護保険施設と呼ばれる施設ですが、この2つには様々な違いがあります。
特養と老健にある最も大きな違いは、その目的
この2つの施設の、最も大きな違いというと、その施設が利用される「目的の違い」です。特養と老健では、そもそもの目的が違うんです。
特養の目的
身体や精神面の障害によって、常に介護が必要で、自宅での生活が困難な高齢者へ介護や機能訓練を提供する事。
老健の目的
介護を必要な高齢者の自立のため、看護や医学的な管理のもとで、必要な介護や機能訓練を提供し在宅への復帰を目指す事。
それぞれの施設で、介護サービスや機能訓練を提供しているのは同じなのですが、特養では、そこで療養しながら生活していくために、それらのサービスが提供されています。
それに対し、老健ではその施設にずっと暮らしていくという訳ではなく、介護サービスを受けながらも自宅へ戻るために機能訓練(リハビリ)を受けている、というのが最も大きな違いです。
つまり、特養は場合によっては、亡くなる最後まで住める、終の棲家(ついのすみか)となるのですが、老健は病院などから自宅へ戻るために、身体機能などを回復させるための施設、となります。
特養と老健の違いは他にも!
入居期間の違い
この2つの施設には、上に書いたように目的に大きな違いがあるため、入居できる期間も違ってきます。
特養は基本的に終身で利用でき、看取りを可能な施設もあります。
(ただし多くの施設では、重度の医療ケアに対応出来ず、長期の病院への入院となると、退所しなければなりません)
一方、老健では自宅への復帰が目的となっているので、基本的に長期の利用はできません。
入居期間は原則として3ヶ月となっていて、その都度、入居を継続するどうかの判定会議が行われます。実際の平均的な滞在日数は、300日弱となっているようです。
入居条件の違い
各老人ホームでは、それぞれに入居の条件を設けていますが、特養と老健の入居条件の違いとしては、要介護度があります。
介護保険を利用するためには、各市区町村で介護認定を受け、介護が必要と認定されなければいけません。
老健では、介護認定で要介護度1以上であれば、入居の条件を満たしますが、特特養では、要介護度3以上の認定が必要となります。
これは、特養に入居したくても出来ない人(待機人数)が、全国で52万人いるとも言われ、少しでも急を要する高齢者が入所できるようにと、2015年に変更になりました。
費用の違い
民間企業が運営している有料老人ホームなどでは、入居一時金と呼ばれる費用が必要となりますが、介護保険施設であるこれら2つの施設では、入居時の費用は必要ありません。
月々の費用としては、他の老人ホームよりも比較的安くなっていて、この2つの施設の比較では、特養の方がやや安めに設定されています。
ただし、それは同じ条件で比較した場合であって、入居する部屋の種類によっても、月額の利用料は異なってくるので、部屋によっては、老健の方が安くなる、という事もあります。
受けられるサービスの違い
どちらの施設でも、
- 食事
- 入浴
- 排泄
といった身体介護のサービスや機能訓練、などは受けられますが、介護老人保健施設では、医師や看護師などの配置人数が多く(医師は常勤1人が最低条件)、医療ケアは特別養護老人ホームよりも充実しているといえます。
また自宅への復帰が目的のため、機能訓練(リハビリ)もより充実しているといえるでしょう。
入りやすさの違い
上にも書いてますが、特養はとても入居希望者が多く、施設によっては入居待ちの人数が100人を超えている施設もざらにあります。介護施設の中でも入居が困難な施設といえます。
老健の方は、特養に比べると待機してる人数が少ないので入居しやすい施設が多いと言えます。
特養と老健の違いまとめ
特養と老健は、ともに介護保険サービスで利用できる介護施設のため、混同してしまいがちですが、
- 特養
生活の場として、(基本的には)期限なく暮らしていける施設
- 老健
リハビリなどを行いながら自宅での生活を目指すのを目的とした施設
と根本的な違いがある事を知っておきましょう。