老人ホーム選びにおいて、費用がいくらくらいかかるかは大切な要素です。
いくら入りたい施設があっても、お金がないとどうしようもありません。
老人ホームの費用が高額という印象がありますが、年金だけで入居することはできないのでしょうか。
安い老人ホームについて調べてみました。
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老人ホームの費用となる年金、どんな種類があっていくらくらい?
まずは簡単に年金の種類について。
一口に年金といってもいろいろ種類があり、もらえる金額も人によって変わってきます。
- 国民年金 自営業をしている人や、厚生年金に加入していない会社に勤めている人が受給
- 厚生年金 厚生年金に加入している会社に勤めていた人が国民年金にプラスして受給
- 国民年金基金 国民年金に加入している人が、プラスアルファとして個人で加入するもので、他には付加年金、確定拠出年金などがあります
- 企業年金 会社が福利厚生として、厚生年金基金・確定拠出年金などを利用した年金で、社員は保険料を払っていません
- 共済年金 公務員などが受給する年金でしたが、平成27年に厚生年金に一本化されました
- 遺族年金 年金受給者が死亡後に遺族が受け取る年金
これらの種類の年金があり、それぞれ保険料をかけた期間、保険の種類、組合せによってもらえる金額が違ってきます。
国民年金基金や企業年金はプラスアルファとしてもらうもので、基本的には国民年金か厚生年金(プラス国民年金)のどちらかをもらう事になります。
国民年金の受給金額は?
この中で受給金額が低い国民年金のみの場合についてみていきます。 まず年金をもらえる年齢は65歳から、そして受給するためには、保険料を25年以上支払っている必要があります。
(年金をもらうための支払い期間を10年間とする制度の改正がありますが、現状先送りにされています)
では国民年金をもらえる金額がいくらなのかというと、満額(40年間支払い続けた金額)は平成27年4月現在で、年額780,100円。つまり月で割ると65,000円程度になります。
国民年金のみで老人ホームへの入居は?
結論からいうと、かなり厳しいです。
国民年金は満額で月に65,000円ほどとなっていて、実際にもらっている平均額は55,000円程度(平成25年)というデータがあります。
「老人ホームで必要となる費用の相場は?」を見てもらうとわかりますが、この金額ではかなり難しい、といえるかもしれません。
ただし厚生年金をもらっている人であれば下表のようになっているので、この金額であれば探しようによっては可能となるでしょう。
厚生年金保健(第1号)・国民年金受給者の老齢年金平均月額
厚生年金保険 | 国民年金 | |
平成24年度 | 151,374円 | 54,856円 |
平成25年度 | 148,409円 | 54,622円 |
平成26年度 | 147,513円 | 54,497円 |
平成27年度 | 147,872円 | 55,244円 |
平成28年度 | 174,927円 | 55,464円 |
(引用:厚生年金保険・国民年金事業の概況/平成28年度ー表6・表18 )
国民年金だけでは難しいですが、他に預金がある、収入がある、あるいは厚生年金のみで入れる場合を考えていきます。
年金で入れる安い老人ホームは?費用をまかなうにはどうしたらいい?
介護保険施設を探す
介護保険施設とは、介護保険を利用して入所できる施設で、民間企業が運営している有料老人ホームと比較すると、入居する時の費用も不要なので、比較的安く入居できます。
介護保険施設には、
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設
がありますが、
介護老人保健施設は自宅への復帰を目指すための施設で、長期の入居ができない
介護療養型医療施設は、病気の回復を目的とした医療施設なので、基本的には健康な人の入所はできず、医療ケアが充実していて費用も割高
といった制約や条件があります。
健康な人が比較的安い費用で、終身に近い入所を希望するなら、特別養護老人ホーム(特養)となりますが、特養の場合にも入居の条件があります。
特養の入所には介護認定によって要介護3以上の認定を受けている必要があるので、介護認定を受けていない、あるいは1か2の認定では入居はできません。
また費用が安い、重い介護に対応できる、という理由から非常に人気があり、入居するのに数ヵ月から数年待たされる事もあります。
軽費老人ホームを探す
軽費老人ホームとは、自治体による助成を受けている施設で、こちらも低い費用で利用できます。
食事を提供するA型と、自炊するB型がありますが、B型なら数万円という費用で入居できる場合もあります。
ただし、軽費老人ホームは基本的に自分の身の回りの事ができるけれども、1人では不安といった高齢者の受け入れを行っているので、要介護の状態になったら施設を退去しなければならない場合があります。
養護老人ホームを探す
養護老人ホームとは、生活保護を受けていたり低所得によって自宅での生活が難しい人を受け入れる施設で、費用も少なくて済みます。
ただし金銭的に生活が苦しい人を対象としていますが、介護施設ではないので、基本的には要介護の人は入所できず、重い介護にも対応できません。
また入所には自治体による措置という認定を受けなければならないのですが、養護老人ホームへの入所は自治体にとって費用の負担が大きくなるので、認定を認めない措置控えが行われている地域もあり、入所しづらくなっている地域もあります。
生活保護を受ける
年金をもらっていたら、生活保護を受けられない、と思っている人もいると思いますが、そうではありません。
生活保護には限度額があり、それを年金の収入が超えていなければ、その金額までを、両方もらうことは可能です。
ただし生活保護を受けるには、様々な条件があり財産や車などを持つのが難しくなる場合もあります。
資産をまず生活にあてる必要があるからで、いわゆる普通の生活はできなくなります。
条件などは自治体によって異なるので、確認が必要です。
居宅介護の活用
費用面では安いけれども、要介護度が低い、順番が回ってこないなどの理由で特養に入れない場合には、介護度が上がってしまうまで、居宅介護を組み合わせて利用する、という方法もあります。
要介護度が上がって入所の必要性が高まれば、順番が早くなる場合もあります。
介護保険では、小規模多機能型居宅介護というサービスがあり、施設への通所、施設からの訪問、短期の宿泊を組み合わせて介護やリハビリを受けられます。
月々の費用は要介護度により定額で(宿泊費、食費は別途)、一番重い要介護度5でも介護保険料の1割負担で2万7千円程度、食費などの生活費を合わせて、約6~7万円ですますこともできます。
(宿泊などの利用方法によっては費用は変わってきます)
注意点としては、このサービスは地域密着型サービスといい、住んでいる市町村の施設しか利用できません。
貯金をしておく
これができれば苦労はいりません。
ただ今後、自分が子供の世話にならないためには、やはり将来もらえる年金の額(減っていくことも予想されていますが)と、施設を利用するのに必要となる費用を早めに計算して、少しでも蓄えていくことが不可欠でしょう。
急を要している人は、自分1人で考えていてもなかなか解決しません。
インターネットで探すと資料請求や相談できるサイトはありますし、自治体の窓口でも相談にのってくれます。
「老人ホーム探しに便利な、無料で資料請求できるサイト5選!」
ぜひ専門家に相談して、何かいい方法がないかを考えてもらいましょう。
大まかにですが、施設の種類ごとに費用の相場についてまとめてみました!
「老人ホームの費用の相場は?施設ごとに比較してみました!」