老人ホームへの入居を考えたときに、まず問題になるのがその費用ですが、老人ホームについて調べていると、その費用の中に「上乗せ介護費用」というものを見かけます。
いったいこの上乗せ介護費用とは、何なのでしょう。
「あそこの老人ホームってどうなの?」 気になる施設が検索できて、もちろん資料請求も無料! |
老人ホームの費用の中身は?
まずは、老人ホームに入居するのに必要となる費用に、どのようなものがあるのかを、簡単に説明します。
入居一時金
入居一時金とは老人ホームに入居する最初に支払う費用で、主に有料老人ホームなどで必要となります。(他の施設でも必要となる場合はあります)
これはその施設を利用する権利を買うために支払う費用で、月々の家賃に当てられていきます。施設によっては、金額が数千万円というところもあります。
月額費用
毎月必要となる費用で、次のようなものがあります。
- 家賃管理費(共用施設などの維持費や人件費など)
- 水道光熱費
- 食費
- 介護サービス費
これらの他にも、普段の生活に必要な費用として、
- 医療費
- オムツ代
- 交通費
- 日用品代
- 散髪代
などが実費として、月によって必要となります。
上乗せ介護費用とは?
では上乗せ介護費用とは、何なのでしょう。老人ホームには色々な種類がありますが、主に民間企業が運営している老人ホームに、有料老人ホームがあります。
有料老人ホームは、
の3種類あり、そのうち介護付き有料老人ホームでは、都道府県の指定を受けて、特定施設入居者生活介護という介護サービスを受ける事ができます。
(有料老人ホームで「介護付き」と名乗るためには、都道府県による特定施設の指定を受けなければなりません)
このサービスでは、施設内の職員によって介護サービスを提供され、介護費用は要介護度によって決まっていて、月々に利用者が支払う費用は、一定の金額となります。
(住宅型有料老人ホームや、介護付き有料老人ホームでも外部の介護サービスを利用している施設の場合には、費用は一定ではなく、利用した介護サービス料金の1~2割を負担する事になります。またそれぞれの要介護度で設定されている、利用限度額を超えた場合には、その超えた分は全額自己負担となります)
ただ特定施設では、より手厚い介護を提供することで、多くの費用を徴収することが認められています。
その費用が「上乗せ介護費用」です。
介護スタッフを増やす
ではどのように介護を手厚くするかというと、人員を増やすのです。
特定施設では、介護保険法によって人員の配置人数が決まっています。その数は、要介護者3人に対して、1人の介護職員となっているのですが、そこを要介護者2.5人や2人に対して、1人の介護職員を配置するのです。
その増やしている人員の分、手厚い介護を行っている事になり、上乗せ介護費用として、入居者に請求することになるのです。
ちなみに施設内のスタッフが介護サービスを提供する、一般型特定施設入居者生活介護の指定を受ける事ができる特定施設となりうるのは、介護付き有料老人ホームの他に、ケアハウスの介護型(特定施設の指定を受けていないのは一般型と呼ばれます)や、サービス付き高齢者向け住宅などがあります。
上乗せ介護費用はいくらぐらい?
上乗せ介護というのは、人員の補充によって提供できる介護を厚くしていく、というものなので、具体的な金額に関しては、施設の人員の数にもよりまちまちで、月額数万円から10万円近く必要な場合もあります。
ただし、費用が高いからダメという訳でもありません。その分丁寧な介護が期待できる、という事もいえる訳です。
上乗せ介護費用は人員だけでなく、介護の質や量を向上させるための費用、という場合もあります。
人員の配置や上乗せ介護の費用などは、入居前に調べれば当然分かります。逆に調べておかないと、余計な上乗せがされる事も考えられます。
費用を許容できる中で、希望の介護、必要な介護が受けられる施設を探す事が重要といえるでしょう。