介護保険が適用される施設を利用する場合、負担を軽減してくれる「特定入所者介護サービス費」というものがあります。
このサービスの中身と、2015年の介護保険制度の改正で変更になった内容についてみていきます。
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特定入所者介護サービス費とは?
補足給付ともいわれる特定入所者介護サービス費ですが、これは
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護療養医療施設
といった介護保険施設やショートステイ(短期入所生活介護)を利用する場合に、基本的には自己負担である食費と居住費を、所得の低い人は軽減してくれる、という制度です。
(介護保険施設の種類と違いをまとめてみました!)
具体的には、入所者を所得などによって段階に分け、それぞれ食費、および居室の種類による居住費の負担する限度額が決められています。
所得がいくらで、特別養護老人ホームの個室に入所しているなら、食費と居住費の支払わなければいけない上限がいくら、という様に決まっているのです。
実際にそれ以上にかかった費用と、上限額の差額について、市町村などの自治体から施設に支払われます。(利用者に支払われるのではありません)つまり利用者は、決められている金額以上の費用を支払う必要はありません。
特定入所者介護サービス費を利用するには?
この軽減制度を利用については、勝手に軽減されるという訳ではなく、負担限度額認定というものを受ける必要があります。
市町村などで、詳しい軽減条件を確認の上、申請を行いましょう。
改正によって特定入所者介護サービス費はどう変わった?
2015年に介護保険制度の改正によって、特定入所者介護サービス費の内容も変わっています。
配偶者の所得
これまでは、入居する人の所得が、条件を満たしていればよかったのですが、改正により、施設に入所して世帯を分けていても(世帯分離)配偶者の所得が関係してくることになりました。
市町村に認定の申請を行うと、配偶者がいるかどうか、その所得がいくらになっているかが調べられます。
預貯金と資産
特定入所者介護サービス費に関わるものとして、これまでは所得だけだったのですが、改正により
- 預貯金
- 現金
- 金
- 有価証券
- 投資信託
などの資産も関係してくることになりました。金額は
- 配偶者がいる人:2,000万円
- 単身者:1,000万円
となっていて、これ以上の資産を持っている場合には、補足給付を受けることができなくなっています。
年金
今まで補足給付を受けていた人のうち、課税年金収入と所得の合計額で判定されていた段階の人が、今後は今まで含まれていなかった、非課税の年金(遺族年金・障害年金など)も含めて計算するようになります。
この年金の項目に関しては、2016年8月から施行の予定です。
このように制度改正により、お金を持っている人は自分で費用を払いましょう、という流れが強くなっています。不平等を無くす、という考えからなのですが、それまでよりも負担がかなり大きくなってしまった、という人も増えているでしょう。