老人ホームは種類が多く呼び方もややこしいので、それぞれの違いが分かりにくい場合がよくあります。
ここでは違いが分かりにくいといわれる、有料老人ホームと特養(特別養護老人ホーム)の違いについてみていきます。
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有料老人ホームと特養(特別養護老人ホーム)、違いはココ!
有料老人ホームと特養の最も大きな違い
この2つの施設には、色々な違いがありますが、最も大きな違いというと次の点になるでしょう。
有料老人ホーム
主に民間企業が運営している比較的費用の高い施設。
特養
公的な介護保健施設の1つで、収入なとにより補助や助成金の制度があり、比較的費用が安い施設。
多くの人がイメージする有料老人ホームと特別養護老人ホームの違いでもありますが、「有料老人ホームは高い」、「特別養護老人ホームは安い」という点が2つの施設の大きな違いといえます。
では、費用やその他の違いについて、詳しくみていきます。
費用の違い
最も大きな違いとしてあげた費用に関してですが、具体的にどのくらい違うのでしょう。
入居一時金
老人ホームでは、入居する時に、入居一時金と呼ばれる費用が必要となる施設があります。これがあるかないかが、有料老人ホームと特別養護老人ホームの費用面での違いを最も大きくしている要因です。
- 特別養護老人ホーム:入居一時金は不要
- 有料老人ホーム:0~数千万円
有料老人ホームでも入居一時金が不要、という施設はありますが、多くの場合必要となり、高額になる事も少なくありません。
月額費用
- 特別養護老人ホーム:5~15万円程度
- 有料老人ホーム:10~40万円程度
有料老人ホームには、健康型・住宅型・介護付きという3つの種類あり、それらによっても金額は違ってきます。
NPO法人が運営しているような所では、費用が安い施設もありますが、おおむね比較すると、やはり有料老人ホームの方が高くなります。
入居条件の違い
年齢
特別養護老人ホームでは、基本的に65歳以上となっていますが、有料老人ホームでは、60歳以上となっている所も多く、施設によって異なります。
要介護度
特別養護老人ホームでは、介護認定を受けて、要介護度3以上というのが入居の条件となっていますが、有料老人ホームでは、施設によってかなり違いがあります。
だいたいの目安としてですが、次のようになっています。
- 健康型:自立~軽度の要介護度
- 住宅型:自立~中度
- 介護付き:要介護度1~5
(自立とは、介護認定の非該当にあたります)
受けられるサービスの違い
受けられるサービスの違いについては、有料老人ホームのなかでも種類によって違うので、まずは有料老人ホームの簡単な違いをあげていきます。
健康型
生活の援助(掃除、選択などの家事や、買い物の代行など)を行うのがメインとなっていて、介護や機能訓練といったサービスの提供は、基本的には行われていません。
住宅型
生活の援助や見守りといったサービス以外に、介護を必要とする入居者は、外部の介護サービスを提供する事業者により、介護やリハビリなど(介護保険の居宅サービスとして)を受けます。
ただし、重度の要介護度では、対応出来ない施設が多くなります。
介護付き
介護付き有料老人ホームは、都道府県による特定施設入居者生活介護という指定を受けて、施設内のスタッフが介護サービスを提供しています。
(施設によっては外部の事業者により介護サービスを提供しているところもあります)
有料老人ホームで「介護付き」と名乗るには、この特定施設の指定を受けている必要があります。
介護付きでは、重度の要介護度の入居者や、認知所にも対応している施設が多くあります。
つまり、
- 健康型は、施設の豪華な設備などを重視した、ホテルのような施設が多い
- 住宅型は、介護やリハビリにも外部事業者によって対応しているけれど、重介護には対応出来ない所が多くなる
- 介護付きでは、重い介護にも施設内のスタッフにより対応している
という事です。
(詳しくは「有料老人ホームの種類と違い」をどうぞ)
特養(特別養護老人ホーム)
特別養護老人ホームで提供されているサービスは、入居者が常時の介護を必要とする要介護度の高い人が多い事から、
- 食事・入浴・排泄といった身体介助
- 機能回復の為のリハビリ
- 家事などの生活支援
- レクリエーション
といったものになります。
特別養護老人ホームとの比較でいうと、介護付き有料老人ホームでは特養と同程度のサービスを提供可能な所があります。
さらに上乗せ介護費用が発生しますが、職員の配置人数を増やすなど、特別養護老人ホームよりも手厚い介護を提供しているところもあります。
費用は老人ホームを選ぶ時の重要な要素ですが、それだけではなく、どのようなサービスを受けられるか、必要とするサービスが提供されているかも大切です。
特別養護老人ホームは多くの待機者がいて、すぐには入居できない場合が多く、有料老人ホームが選択肢の1つになる場合もあるでしょう。
ただ有料老人ホームは、3つの種類があるばかりでなく、例えば、同じ介護付き有料老人ホームの中でも、提供しているサービスなどにかなりの幅があります。
有料老人ホームを選ぶ時は、必ず複数の施設の資料などを比較し、見学や体験入居を行って、しっかり検討するようにしましょう。
「老人ホームに体験入居するときの注意点!」