老人ホームにはたくさんの種類があって、違いがとても分かりにくい場合もあります。
ここでは、その中でもややこしい「軽費老人ホーム」と「ケアハウス」の違いについて見ていきます。
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軽費老人ホームとケアハウスは違う?同じ?
軽費老人ホームとケアハウスという2つの施設は、呼び方は異なるのですが、実は同じ施設を指します。
もう少し詳しく言うと、軽費老人ホームの中の1つの形態としてケアハウスがある、という事です。
ではなぜ名前に違いがあるのか、それぞれについてみていきます。
軽費老人ホームの中のケアハウス
軽費老人ホームとは社会福祉法人や地方自治体などが運営していて、身の周りの事はできて自立している、あるいは介護認定を受けていても要支援程度の人が入居している施設です。
身寄りがなかったり、経済状況や家庭環境の問題から家族との同居が困難で、一人暮らしに不安のある高齢者が、自治体の助成などにより比較的安い費用で入居できます。
このような福祉施設である軽費老人ホームは、大きく
- A型
- B型
- C型
の3つに分類されています。
そして、このうち軽費老人ホームのC型をケアハウスと呼びます。
ケアハウスにも2つのタイプがあり!
さらにケアハウスの中でも、
- 一般型
- 介護型
と分けることができ、一般型では、自立している人が入居するのに対して、介護型では、施設が特定施設入居者生活介護という指定を受けていて、軽度から重度までの介護に対応しています。
軽費老人ホーム(A型・B型)とケアハウスの違いは?
このように、ケアハウスは軽費老人ホームC型とも呼ばれ、軽費老人ホームの1つなのですが、軽費老人ホームA型、B型との違いもありますので、その辺りを、A型、B型の違いも含めて見ていきます。
入居条件の違いは?
要介護度
- 軽費老人ホーム(A型・B型):基本的には身の回りの事ができる自立している人、あるいは介護認定の要支援程度
- ケアハウス一般型:自立~要支援程度
- ケアハウス介護型:要介護度1以上
(入居条件としての要介護度や、施設でどの程度までの介護状態に対応できるか、というのは施設ごとに異なります)
年齢
入居できる年齢は、介護型ケアハウスのみ65歳以上、その他は60歳以上となっています。
月収
軽費老人ホーム(A型・B型)では、助成を受けて安い費用で入居できる施設であるため、所得に制限があり、月収34万円以上ある場合には、基本的に入居条件を満たしません。
ケアハウスへの入居に、所得の制限などはありません。
費用の違いは?
軽費老人ホームA型
初期費用0~30万円(保証金として必要な場合があり)・月額費用6~17万円程度
軽費老人ホームB型
初期費用0~30万円(保証金として必要な場合があり)・月額費用3~4万円程度(食事の提供がない分、費用は安くなります)
ケアハウス(一般型)
初期費用30万円程度(保証金として)・月額費用6~13万円程度
ケアハウス(介護型)
初期費用数十万円~数百万円(入居一時金として)・月額費用6~20万円(入居時の費用が高額になる施設が多くあります)
(費用については大まかな目安です。施設によって幅もあるので、気になる施設ごとにしっかり確認しましょう!)
受けられるサービスの違いは?
軽費老人ホーム
まず軽費老人ホームのA型とB型ですが、違う点は食事が提供されるかどうかという事で、他にはほぼ違いはありません。
A型には食堂があり、食事の提供が行われていますが、B型では基本的に自炊する必要があります。
介護サービスは基本的に提供されていなくて、職員による見守りが主なサービスとなります。
- A型:食事の提供あり
- B型:基本的に自炊
ケアハウス(一般型)
入浴の準備や洗濯、掃除などの家事を含めた生活支援や、見守り、生活相談などのサービス提供が主となります。
介護が必要となった場合には、外部の介護事業者と契約して、介護保険の居宅サービスを利用することになります。
ただし施設によっては、重い介護が必要になると退去しなければならない場合もあるので、確認が必要です。
ケアハウス(介護型)
介護型では特定施設入居者生活介護という指定を受けているので、施設内のスタッフによって介護サービスが提供されます。
(外部の介護事業者のサービスを利用している場合もあります(外部サービス利用型))
必要に応じて
- 食事
- 入浴
- 排泄
といった身体介助から、機能回復のためのリハビリや、施設によっては医療ケアも提供されます。
軽費老人ホームは、現在新しい施設は新設されておらず、建て替える場合には、ケアハウスに統一することが決まっています。
そのため、今後はA型、B型が減少していき、軽費老人ホーム=ケアハウス、という事になっていくでしょう。