老人ホームには色々な種類があり、さらに呼び方が似ている場合も多く、違いが分かりにくいのですが、特別養護老人ホームと養護老人ホームもその1つでしょう。
この2つの施設の違いについて詳しくみていきます。
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特別養護老人ホームと養護老人ホームはココが違う!
特養とは「特別養護老人ホーム」の略です。特別養護老人ホームと養護老人ホームでは、「特別」という文字が入っているかどうかなのですが、その中身は大きく異なります。
養護老人ホームと特別養護老人ホームの最も大きな違い!
養護老人ホームと特別養護老人ホームではそもそもの施設の目的が違います
養護老人ホームの目的
経済的、あるいは環境の面で自宅での生活が困難な、自立している高齢者が生活するための施設。
特別養護老人ホームの目的
身体的、あるいは精神的な障害によって、自宅での生活が困難な高齢者が、必要な介護や機能訓練の提供によって生活できる施設。
つまり特養は、介護が必要だけれど自宅では難しい人が入居するのに対して、養護老人ホームは、介護は必要ないけれど収入が極端に少なく、自宅での生活が難しい人が入居する、ということです。
養護老人ホームと特別養護老人ホームのその他の違い
入居条件の違い
要介護度
入居条件に関しては、これが一番大きく違います。
養護老人ホームでは、身の回りの事は基本的に自分でできる必要があり、介護認定で要介護1以上を受けていると、条件を満たしません。
特別養護老人ホームでは、介護認定(市区町村で介護が必要な度合いを認定してもらう)で、要介護度3以上が入居の条件になっています。
措置制度
特別養護老人ホームでは、施設職員などによる入所判定委員会によって、入所の可否、および順番が決定されますが、養護老人ホームの場合には、措置制度というものがあり、自治体による、入所できるかどうかの判断を受ける必要があります。
入居費用の違い
養護老人ホームでは、経済的に生活が厳しい人が入居する施設なので、さらに費用は低くなっています。金額は所得によって決められていて、0~10万円程度です。
一方、特別養護老人ホームは、他の老人ホームと比較すると、公的な施設という事もあり、所得によっては費用の負担が減るなど、比較的安い施設といえます。月々の費用は5~15万円程度でしょう。
受けられるサービスの違い
養護老人ホーム
身の回りの事はできるけれども、経済的に自宅での生活が難しい高齢者が入所する施設のため、基本的には介護サービスは提供されておらず、生活支援や食事の提供、レクリエーションといったものが主なサービスとなっています。
ただし高齢者が多く、入居後に介護が必要となる場合も多く、そのような場合、養護老人ホームで、「外部サービス利用型特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設では、外部の介護サービス事業者による、介護保険の居宅サービス(訪問介護や通所介護など)を利用する事ができます。
特別養護老人ホーム
生活を送るために介護を必要としている、要介護度の高い高齢者のための施設なので、食事や入浴、排泄などの身体介助や、体の機能の維持、改善のためのリハビリなどのサービスを受けることができます。
それ以外には、日常生活における、掃除や洗濯などの家事や買い物代行といった生活の支援や、レクリエーションの提供などになります。
重度の医療ケアに関しては、対応していな施設が多いです。
老人ホームの中でも、特別養護老人ホームと養護老人ホームは、最も名前が似ていて、中身が正反対の施設といえます。老人ホームを選ぶ時に混同しないように気を付けましょう。