老人ホームに入居して、自宅が空き家になった時に迷うのが、それまで住んでいた自宅をどうするかです。
そうなった場合にどのような方法があるのでしょう。
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老人ホーム入居後の自宅は?
売却
まず考えるのが、自宅の売却でしょう。入居者にとって、そして子供たちにとっても思い出の詰まった家なので、できれば手放したくない、という気持ちがあると思います。
ただ老人ホームに入居するには、特に民間企業が運営している有料老人ホームなどでは、入居時の高額な入居一時金や月額の費用が必要となります。そのため手放さないとならない事もあるでしょう。
売却の際の注意点
入居するための資金に充てるつもりで売却する時には、注意が必要です。それは、家がすぐに売れるかどうか分からない、という事です。
入居を先に決めて、あるいは急に入居する必要ができてから売却をしようとした場合、すぐに売れるかどうかは分かりません。 入居に際して売却を検討しているのなら、すぐに売るのではなくても、時間に余裕をみて1度信用できるところや、市区町村などに相談してみましょう。
老人ホーム紹介センターなどでも、自宅の売却に対する相談に乗ってくれる所があります。
賃貸
老人ホームに入居したときの自宅の売却に悩んでしまうのは、もし、老人ホームを退去しなければならなくなった時に、戻る場所(住む場所)が無くなってしまう、という不安があるからでしょう。 そのため賃貸に出す、という選択があります。
両親が住んでいたとなると、築数十年となっているでしょうが、リフォームしてきれいにすると、立地条件などによっては、借り手も付きやすくなります。
最初の費用は必要になりますが、月々の家賃収入を老人ホームの費用に回せる、というのはかなり助かるでしょう。
賃貸の際の注意点
ただし、もし老人ホームを退去になったからといって、都合よく自宅に戻る事はできません。
その家を借りた人は、借地借家法という法律で守られていて、貸した側の都合で出ていって欲しいとは言えないのです。ただ家を手放さずに住む方法ではあります。
子供が住む
もし老人ホームを退去になった時に、戻る場所を確保したい、ということで最も確実なのは、子供が住む、という選択でしょう。それであれば戻ってきたりするのもかなり自由がききます。
ただし、老人ホームに入居する年齢の人の子供であれば、家族がいる可能性もあり、子供側の都合もあります。また老人ホームを退去する必要があるということは、ホームで介護できなくなった、というケースもあり、その後面倒を見る事になります。
さらに不動産は親の残した財産であり、兄弟がいると誰が住むのか、などのトラブルになることも多いようです。
このように売るべきか、貸すべきか、住むべきか、それぞれの選択に、売れるのか、誰が住むのか、などのそれぞれの事情が絡まってくるので、一概にこうすれば良い、というのは難しい問題です。
できるだけ元気な内に、家をどうするか話し合っておき、また税理士さんなどの専門家に、きちんと相談する事が大切です。
リバースモーゲージとは?
老人ホームの費用に充てるための手段として、「リバースモーゲージ」というものがあります。 これは、自宅を担保として、まず先にお金を銀行などから融資してもらいます。
このお金を老人ホームなどの費用に充てて、本人が亡くなられた時に、自宅を売って返す、という仕組みで、この融資では、一括で受け取ったり、毎月の分割にして受け取ることができます。
リバースモーゲージでは、自宅を担保として融資を受けるので、自宅の評価に対して、融資金額が決まります。ただ家を売るのが先なので価値が下がることも想定して、評価は今すぐに売却するよりも低くなってしまうようです。
このような仕組みを利用することで、老人ホームに入居後の自宅を有意義に活用する事もできます。
家は放っておくと、価値は下がるし、住むのに支障が出る程、劣化していきます。 相続の事を考えて、空き家のままにしておく方が良い、という事も場合によってはあるようですが、とりあえずおいておく、ではなく計画的にどうするかを検討しておく必要があるでしょう。