老人ホームへの入居や介護にとって、とても深い関係にある介護保険。
2015年に改正された主なポイントについてみていきます。
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2015年 介護保険の主な改正ポイント
介護保険制度は増え続ける、介護が必要な高齢者に対して、本人やその家族だけでなく、社会全体で支えていこうと、2000年に施行された制度です。
この制度に関しては、5年ごとに法の改正と3年ごとに介護報酬の見直しが行われていて、2015にも4月と8月に変更が行われました。その内容は次のようなものになります。
自己負担の割合が増加
今回の改正で、1番の目玉であり利用者に影響がある、そして今後の介護保険の方向性にも影響のありそうな項目がこちらでしょう。
今までは 「介護保険を利用した場合の自己負担は、一律その1割を負担する」、 ということになっていましたが、今回の改正によって、所得の高い人に関しては、その2割を負担する、というものです。
具体的には、「所得が年間で160万円以上、かつ収入で280万円以上」というところがそのラインとなります。 ただし計算の方法など(配偶者がいる、給与所得がある場合など)によってややこしくなっています。
負担割合に関しては、要介護認定を受けている人には、「介護保険負担割合認定証」が交付されますので、そちらで確認して下さい。
特別養護老人ホーム(特養)への入所基準の変更
介護保険で利用できる施設(介護保険施設)には、
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人福祉施設
- 介護療養型医療施設
とありますが、これらの施設への入所基準としては、今まで介護認定による要介護度が1以上となっていました。
ところが今回の改正により、 「特別養護老人ホーム(特養)への入所基準は、要介護3以上」 と変更になりました。特別養護老人ホームは公的な施設で、重い介護や認知症にも対応していて、費用も比較的抑えることができるため、とても人気があり待機人数(入所を待っている人の数)が数百人という施設もあります。
少しでも緊急を要する人が入所できるようにという配慮から、新規の申込み者に対しては、原則要介護3以上と変更されました。
食費などの補助制度の基準が厳しく
特別養護老人ホームなど、介護保険施設では、介護サービスの費用の1割を負担する以外にも、食費や居住費を、基本的には全額自己負担する必要があります。
ただし所得の低い人に対しては、負担を軽くする制度が設けられています。 この認定には今まで所得だけが関係していたのですが、今回の改正により条件が厳しくなり、
- 資産がある
- 配偶者の所得が高い
などの場合には、今までであれば受けられていた認定が、受けられなくなる場合もあり、それまで支払っていればよかった費用よりも、かなり高額になる事もあります。
要支援向けの介護予防サービスの一部を市町村へ
介護認定で、要介護ではなく要支援の認定を受けた場合に利用できる介護保険のサービスを、介護予防サービスといいます。 今回の改正では介護予防サービスのうち、
- 予防訪問介護
- 予防通所介護
の2つが市町村の事業として移ることになり、2015年4月から3年をかけて移行していきます。
この事によって、今まで全国一律だったサービスが、財政状態などによって地域により差が出るのでは、と心配される一方、ボランティアなどによって、多様なサービスが受けられるのでは、ともいわれています。
低所得者の保険料の負担が軽減
介護保険はその費用の半分を、被保険者(40歳以上の全ての国民)の保険料によってまかなわれています。
今までも第1号被保険者(65歳以上)の所得の低い人が、保険料の負担を減らすために、所得によって段階に分け低所得の人が少ない保険料で済む、という仕組みを取っていましたが、今回の改正では、さらに低所得者の保険料負担がより少なくなるよう変更されています。
主な変更点としては以上のようなものとなっていますが、今後も財源の確保のために
- 2割負担の対象を拡げる
- 軽度の要介護者に対するサービスの一部は自己負担とする
などの変更があるのではないかと予想されています。